いろいろディープに台湾旅行記〜台湾の人も料理も文化も大好きでたまらない人間の場合〜

台湾の野菜炒めとビール、そして優しい人々‼中国語を使うことで、さらに楽しんできました

激ウマの台南、街ブラひとり旅①

10月の台南旅行記です。<br /><br />無計画の行き当たりばったり旅でしたが、<br /><br />街ブラはとても楽しく、<br /><br />行く店行く店、激ウマのお店ばかりでした。<br /><br /><br />この後、財布を落とすことになるとは知らず、満喫しました。<br /><br />「台南で財布を落とした結果」はこちらをどうぞ↓<br />https://4travel.jp/travelogue/11431825

 2018年10月の台南旅行記です。

無計画の行き当たりばったり旅でしたが、

街ブラはとても楽しく、

行く店行く店、激ウマのお店ばかりでした。


この後、財布を落とすことになるとは知らず、満喫しました。

「台南で財布を落とした結果」はこちらをどうぞ

 

 

台湾2日目。<br /><br />さあ、桃園から台南へ!!

 

台湾2日目。

さあ、桃園から台南へ!!

桃園駅 

 

この数日前に事故が起きたプユマ号。<br /><br />待っている台湾人が<br />「プユマ号って大丈夫なの??」<br />「俺が知るかよ!!」と<br /><br />冗談を言い合っているのが聞こえる。<br /><br />だよね、だよね。俺もそう思うよ!!

 

この数日前に事故が起きたプユマ号。

待っている台湾人が
「プユマ号って大丈夫なの??」
「俺が知るかよ!!」と

冗談を言い合っているのが聞こえる。

だよね、だよね。俺もそう思うよ!!

 

 

 

桃園から台南。

2時間半で671元≒2400円。

価格と移動時間は反比例するらしい。

この映像、これまで何度撮ったことか。<br /><br /><br />「ふるさとや行楽地で過ごした人たちの帰省ラッシュが続いています」<br /><br />毎年正月とお盆の最低2回は書いていました。<br /><br />そらんじられます。

 

この映像、これまで何度撮ったことか。


「ふるさとや行楽地で過ごした人たちの帰省ラッシュが続いています」

毎年正月とお盆の最低2回は書いていました。

そらんじられます。

プユマ号、山形新幹線そっくり。

 

プユマ号、山形新幹線そっくり。

台湾はどこもクーラーが効き過ぎている。<br /><br />乗って数分で、寒い。

 

台湾はどこもクーラーが効き過ぎている。

乗って数分で、寒い。

予定時刻通り

 

予定時刻通り

正面に見えているのが台南駅。<br /><br />日本統治時代の、東京駅風のイカす建物、なんですが。

        地図を見る

正面に見えているのが台南駅。

日本統治時代の、東京駅風のイカす建物、なんですが。

台南駅

台南駅を降りてすぐの広場<br /><br />YouTuberかな。<br /><br />迷いのなく突き抜けている感じで撮影していて、格好良かった。<br /><br />なぜか、ライバル心が燃えた。

 

台南駅を降りてすぐの広場

YouTuberかな。

迷いのなく突き抜けている感じで撮影していて、格好良かった。

なぜか、ライバル心が燃えた。

公共の貸し自転車。<br /><br />台北にもあるようだが、台南では、T-BIKEという。<br /><br /><br />全自動で貸し借りができるシステムらしい。<br /><br />使い方を確認するため、駅前のインフォメーションに立ち寄って聞いてみた。<br /><br />気のいいおばちゃん2人が対応してくれる。<br /><br />「親切したくてしたくてウズウズしてくれるおばちゃん」オーラがまぶしい。<br /><br /><br />「貸し自転車に乗りたいんですがどうやればいいの?」と聞くと<br /><br />おばちゃんAは<br />「悠遊カード(日本でいう「SUICA」を)かざすだけよ」とにっこり。<br /><br />「悠遊カード、持っていないんです」<br /><br />すると、おばちゃんAは、突如あたふたしだす。<br /><br />そして、おばちゃんBに聞く。<br /><br />ここから台湾語になるので、僕は全く聞き取れなくなるが、<br />おばちゃんBも確信がないのは、見てて伝わってくる。<br /><br />1人が何か発言すると、もう1人が否定する、という感じだ。<br /><br />教えてもらえる見込みの低いことがわかったので<br />「じゃあ、自分で何とかやってみます」<br /><br />すると、おばちゃんAもおばちゃんBも<br />「待て待て」と<br />出ようとする僕を制する。<br /><br />「ここで帰しては台湾観光局の名がスタル!!」とばかりだ。<br /><br />別に急ぐ予定もない(そもそも何の予定もない)僕は待つことにした。<br /><br />すると、おばちゃんAが電話をし出す。<br /><br />しばらく台湾語でやり取りをした後、<br />「あ~なるほど!!」という感じで頷き<br />パッと明るい表情になった。<br /><br />そして僕に携帯を渡す。<br /><br />「直接話してくれ」という。<br /><br />電話には初老の男性の声がした。<br /><br />日本語だった。<br /><br />「クレジットカードはありますか?あれば大丈夫です」<br /><br />台湾人の訛りがある日本語だった。<br /><br />植民地教育は受けていない人のようだった。<br /><br /><br />なんてことない。<br /><br />クレジットカードがあれば、すぐ借りられるそうだ。<br /><br />なんて便利なんだ。<br /><br />僕はおばちゃんたちにお礼を行って、自転車置き場に向かった。

 

公共の貸し自転車。

 


台北にもあるようだが、台南では、T-BIKEという。


全自動で貸し借りができるシステムらしい。

使い方を確認するため、駅前のインフォメーションに立ち寄って聞いてみた。

気のいいおばちゃん2人が対応してくれる。

「親切したくてしたくてウズウズしてくれるおばちゃん」オーラがまぶしい。


「貸し自転車に乗りたいんですがどうやればいいの?」と聞くと

おばちゃんAは
「悠遊カード(日本でいう「SUICA」を)かざすだけよ」とにっこり。

「悠遊カード、持っていないんです」

すると、おばちゃんAは、突如あたふたしだす。

そして、おばちゃんBに聞く。

ここから台湾語になるので、僕は全く聞き取れなくなるが、
おばちゃんBも確信がないのは、見てて伝わってくる。

1人が何か発言すると、もう1人が否定する、という感じだ。

教えてもらえる見込みの低いことがわかったので
「じゃあ、自分で何とかやってみます」

すると、おばちゃんAもおばちゃんBも
「待て待て」と
出ようとする僕を制する。

「ここで帰しては台湾観光局の名がスタル!!」とばかりだ。

別に急ぐ予定もない(そもそも何の予定もない)僕は待つことにした。

すると、おばちゃんAが電話をし出す。

しばらく台湾語でやり取りをした後、
「あ~なるほど!!」という感じで頷き
パッと明るい表情になった。

そして僕に携帯を渡す。

「直接話してくれ」という。

電話には初老の男性の声がした。

日本語だった。

「クレジットカードはありますか?あれば大丈夫です」

台湾人の訛りがある日本語だった。

植民地教育は受けていない人のようだった。


なんてことない。

クレジットカードがあれば、すぐ借りられるそうだ。

なんて便利なんだ。

僕はおばちゃんたちにお礼を行って、自転車置き場に向かった。

なるほど、この機械にクレジットカードを読み込ませるのか。<br /><br />画面では、日本語を選べた。

 

なるほど、この機械にクレジットカードを読み込ませるのか。

画面では、日本語を選べた。

「成功路」を西へ。<br /><br />自転車で走行しながら撮影してみる。<br /><br />現地に溶け込んだ感覚になって楽しい。

 

「成功路」を西へ。

自転車で走行しながら撮影してみる。

現地に溶け込んだ感覚になって楽しい。

駅前の通り(成功路)を直進すると、<br />ほどなくしてドリンクスタンド的なお店を見つけた。<br /><br />「栄興フルーツ店」<br /><br />台湾旅行の楽しみの一つ、フレッシュジュース。<br /><br />さあ、何飲もうかな。

 

駅前の通り(成功路)を直進すると、
ほどなくしてドリンクスタンド的なお店を見つけた。

「栄興フルーツ店」
さあ、何飲もうかな。

パパイアジュースにした。<br /><br />60元≒240円。

 

パパイアジュースにした。

60元≒240円。

 

お店のおばちゃん。<br /><br />「撮らせて」というと<br /><br />「あらいやよ」と店の奥に逃げ込む。<br /><br />僕はカメラを構えてまま待つ。<br /><br />おばちゃんがこっちを見る!!<br /><br />パチリ!!<br /><br />一眼レフカメラを買って数日。<br /><br />テレビのカメラと感覚が違う。<br /><br />ピントが合わない。<br /><br />ま、いっか。<br /><br /><br />女性が〝うれしそうに「あらいやよ」〟というのは<br />「恥ずかしいけどぜひ撮って」だと僕は解釈しています…<br /><br />ここで言葉通り引き下がっていると<br />山形ではなかなかインタビューを撮れなかったりするのです…<br /><br />強引がいいときがあるのです…<br /><br />でも僕は、強引が多すぎた気もします…

 

お店のおばちゃん。

「撮らせて」というと

「あらいやよ」と店の奥に逃げ込む。

僕はカメラを構えてまま待つ。

おばちゃんがこっちを見る!!

パチリ!!

一眼レフカメラを買って数日。

テレビのカメラと感覚が違う。

ピントが合わない。

ま、いっか。


女性が〝うれしそうに「あらいやよ」〟というのは
「恥ずかしいけどぜひ撮って」だと僕は解釈しています…

ここで言葉通り引き下がっていると
山形ではなかなかインタビューを撮れなかったりするのです…

強引がいいときがあるのです…

でも僕は、強引が多すぎた気もします…

ジュースを飲んでいると、常連のおっちゃんが話しかけてきた。<br /><br />「ほう、日本からかい!?ここのジュースは台南で一番おいしいよ!!」と言って去っていった。<br /><br />建設業の方とのこと。<br /><br />台南に来てまだ1時間も経っていないけど、<br /><br />すでに楽しくなる予感。

 

ジュースを飲んでいると、常連のおっちゃんが話しかけてきた。

「ほう、日本からかい!?ここのジュースは台南で一番おいしいよ!!」と言って去っていった。

建設業の方とのこと。

台南に来てまだ1時間も経っていないけど、

すでに楽しくなる予感。

さらに進む。<br /><br />もうすぐお昼。<br /><br />ご飯食べたいと思っていると、1本入った通りでいい感じのお店を発見。<br /><br />地元の人たちで混んでいる。<br /><br />よし、ここにしよう。<br /><br />地元の人で混んでいるお店に、失敗はない。

 

さらに進む。

もうすぐお昼。

ご飯食べたいと思っていると、1本入った通りでいい感じのお店を発見。

地元の人たちで混んでいる。

よし、ここにしよう。

地元の人で混んでいるお店に、失敗はない。

もつ煮込み<br /><br />60元≒240円<br /><br />生姜も効いてて、うまい。

 

もつ煮込み

60元≒240円

生姜も効いてて、うまい。

麺<br /><br />50元≒200円<br /><br />うまい。<br /><br />こういうなんてことのない飯がうまいのが、台湾のいいところ。

 



50元≒200円

うまい。

こういうなんてことのない飯がうまいのが、台湾のいいところ。

僕をずっと眺めていた少年。<br /><br />僕が見ると目をそらす。<br /><br />母親が「どこから来たんだ?日本か?」と聞く。<br /><br />僕が<br />「息子さんを撮っていいか?」と聞くと<br /><br />「Why not?」という表情をしてくれた。<br /><br />でも少年は、母親にカメラを向くよう促されても、聞こえないふりを続けた。<br /><br />そりゃそうだよね<br /><br />強引なおじさんでごめんよ

 

僕をずっと眺めていた少年。

僕が見ると目をそらす。

母親が「どこから来たんだ?日本か?」と聞く。

僕が
「息子さんを撮っていいか?」と聞くと

「Why not?」という表情をしてくれた。

でも少年は、母親にカメラを向くよう促されても、聞こえないふりを続けた。

そりゃそうだよね

強引なおじさんでごめんよ

「明月麺店」というお店らしい。<br /><br />お店には、日本語の格言が吊るされてあった。<br /><br />お店では、おばあちゃんが黙々と料理している。<br /><br />おばあちゃんの経営哲学なんだね、きっと。

 

「明月麺店」というお店らしい。

お店には、日本語の格言が吊るされてあった。

お店では、おばあちゃんが黙々と料理している。

おばあちゃんの経営哲学なんだね、きっと。

そのおばあちゃん。<br /><br />お店をさばく娘さん。<br /><br />「撮らせて」と頼むと、おばあちゃんは拒んだ。<br /><br />娘さんが<br />「いいじゃないの」と母を引っ張り出す。<br /><br />おばあちゃんが<br />「何人だい?」と聞くと<br /><br />娘さんは<br />「日本人(ニップンヌン)よ」と答える。<br /><br /><br />娘に説得され、おばあちゃんは観念したように笑顔を見せてくれた。<br /><br />おいしい料理、ごちそうさまでした。

 

そのおばあちゃん。

お店をさばく娘さん。

「撮らせて」と頼むと、おばあちゃんは拒んだ。

娘さんが
「いいじゃないの」と母を引っ張り出す。

おばあちゃんが
「何人だい?」と聞くと

娘さんは
「日本人(ニップンヌン)よ」と答える。


娘に説得され、おばあちゃんは観念したように笑顔を見せてくれた。

おいしい料理、ごちそうさまでした。

お腹も心も満たされて、さらに進むと、市場が見えた。<br /><br />市場大好き。<br /><br />こりゃ見てみなきゃ。

 

お腹も心も満たされて、さらに進むと、市場が見えた。

市場大好き。

こりゃ見てみなきゃ。

果物屋があった。<br /><br />「ここで食べられるものある?」<br />と聞いたら<br /><br />「トマトはどう?」<br /><br />「いいね。じゃあトマト?」<br /><br />「このぐらいでいい?」の瞬間

 

果物屋があった。

「ここで食べられるものある?」
と聞いたら

「トマトはどう?」

「いいね。じゃあトマト?」

「このぐらいでいい?」の瞬間

よく見ると「メロン」の文字。<br /><br />台湾ではよく日本語を見かける。<br /><br />地元で消費される商品にも。<br /><br />日本語はもはや、ブランドなのか?

 

よく見ると「メロン」の文字。

台湾ではよく日本語を見かける。

地元で消費される商品にも。

日本語はもはや、ブランドなのか?

ほっかむりが「産直感」を醸し出す。

 

ほっかむりが「産直感」を醸し出す。

さらに進むと中には建物があった。<br /><br />お、餃子包んでる。<br /><br /><br />ここは「鴨母寮市場」という場所らしい。

 

さらに進むと中には建物があった。

お、餃子包んでる。


ここは「鴨母寮市場」という場所らしい。

うまそう。<br /><br />「ここで食べられる?」<br />と聞くと<br /><br />「ここは生餃子を売るだけよ。ここでは調理はしてないわ」とのこと。<br /><br />残念。

 

うまそう。

「ここで食べられる?」
と聞くと

「ここは生餃子を売るだけよ。ここでは調理はしてないわ」とのこと。

残念。

さらに奥に進むと、海産物売り場。<br /><br />もう正午過ぎ。<br /><br />どこも店じまいの準備をしていた。

 

さらに奥に進むと、海産物売り場。

もう正午過ぎ。

どこも店じまいの準備をしていた。

肉屋も多いようだぞ。

 

肉屋も多いようだぞ。

豪快。

 

豪快。

さらに進むと<br /><br />茶器を売る店が。

 

さらに進むと

茶器を売る店が。

これ、なんかいい。

 

これ、なんかいい。

自宅で使えるのを買った。<br /><br />自分用のお土産。<br /><br />4,000円ぐらいのガラスの急須。<br /><br />今、毎日使っています。

 

自宅で使えるのを買った。

自分用のお土産。

4,000円ぐらいのガラスの急須。

今、毎日使っています。

夫婦でパチリ。

 

夫婦でパチリ。

市場に戻ると、多くの店がお供えの準備をしていた。<br /><br />ガイドブックによると、満月の日にこうやるらしい。

 

市場に戻ると、多くの店がお供えの準備をしていた。

ガイドブックによると、満月の日にこうやるらしい。

どうか安らかに。

 

どうか安らかに。

市場を出て、ぶらぶら。<br /><br />おっ!<br /><br />ここにも「手工(手作り)餃子屋」さんが!!

 

市場を出て、ぶらぶら。

おっ!

ここにも「手工(手作り)餃子屋」さんが!!

「調理はしてないよね?」<br />と聞くと<br /><br />おばちゃんは申し訳なさそうに頷いた。

 

「調理はしてないよね?」
と聞くと

おばちゃんは申し訳なさそうに頷いた。

パイナップル屋。<br /><br />うまかった。

 

パイナップル屋。

うまかった。

自撮り若者風景は、日本と同じ。<br /><br />「全球化(グローバル化)」ですね。

 

自撮り若者風景は、日本と同じ。

「全球化(グローバル化)」ですね。

 

 

最後に、蛇足の話を。

桃園~台南のプユマ号での話。


僕の隣は、40代中盤くらいのおばちゃんだった。

少し小太りで、化粧気のない人だった。

のっけから不機嫌そうだった。

今にも「どいつもこいつもまったく…」と呟きそうだった。

僕が席を確認して座ろうとすると、僕を一瞥し、興味なさそうに窓を見た。

「ふん。日本人なんか興味ないわ」という心の声が聞こえてきそうだった(この旅行で僕は、すぐに日本人だと見破られた。すぐに)。

彼女はすぐに、朝食を食べ始めた。

駅構内で売っている寿司だった。

彼女はムシャムシャと食べていた。

ムシャムシャ。

すぐに食べ終わると彼女は、空になったプラスッチクの箱の置き場に困り、さらに不機嫌になったようだった。

僕は全身で彼女の不機嫌オーラを受け止めていた。

逃れようがなかった。

しばらくして、清掃員が来た。

おばちゃんは彼を呼びとめた。

清掃員は、手に持っていたゴミ袋がいっぱいだったのか
「ちょっと後から来ます」と言った。

ブルーカラーらしい、シンプルでぞんざいな態度だった。

おばちゃんは、舌打ちをした。

さらに不機嫌になった。


さらにしばらくすると

売り子がやってきた。

待っていましたとばかり、おばちゃんは
「このゴミを頼む」と渡そうとした。

しかし売り子の姉ちゃんは
「申し訳ございません。今ゴミ袋を持っていないのです。また後で戻ってきます」と
丁寧な言葉遣いで行った。

でも、態度は(日本人的に見ると)それほど丁寧ではなかった。

おばちゃんは、またゴミを引っ込めた。

さらにさらに不機嫌そうになった。ふてくされているように見えた。

ゴミそのものも邪魔だったが、行き場のない怒りがもっと邪魔になっているようにも見えた。

発車5分で空となったプラスッチの箱は、さらに長い時間、このおばちゃんと共にすることとなった。

1時間半ほどが経った。

しかし、売り子の姉ちゃんが戻ってくることはなかった。

忘れたのかもしれなかった。

でも僕には確信犯的に戻ってこないようにも感じた。

売り子の丁寧な言葉遣いと、乾いた声とのギャップが、僕にそんな風に思わせた。

発車から2時間ほどして、今度は車掌が来た。

切符の確認が終わると同時に彼女は、激しく訴えた。

前のめりになったおばちゃんの直訴に、車掌さんは面食らったようだった。

彼女は、
掃除夫と売り子の姉ちゃんとの会話を詳細に説明した後、
未だにこのゴミを取りに来ないのだ、とまくし立てた。

「おかげでずっとここにゴミを置いているのよ!!」

そして言った。

「是不是這種服務好奇怪!!(このサービスちょっとおかしくないですか??)」

僕は感動した。

こんなに怒っているのに、こんなに遠回しな表現!!

怖そうなおばちゃんがまくし立ているクレームさえも、婉曲風になるのか…

台湾人の中国語、恐るべし。

大陸の中国語とは似て非なるもの。


降りるとき僕は、彼女と一緒に撮りたくて、カメラを取り出した。

瞬間、彼女は僕を睨んだ。

「キッ」という音が聞こえてきそうだった。

僕は怖くて「撮らせて」と言えないまま、持ち上げたカメラの行き場を失い、素知らぬ顔で自分のリュックを撮った。

ブレが僕の動揺を物語っている。

最後に、蛇足の話を。<br /><br />桃園~台南のプユマ号での話。<br /><br /><br />僕の隣は、40代中盤くらいのおばちゃんだった。<br /><br />少し小太りで、化粧気のない人だった。<br /><br />のっけから不機嫌そうだった。<br /><br />今にも「どいつもこいつもまったく…」と呟きそうだった。<br /><br />僕が席を確認して座ろうとすると、僕を一瞥し、興味なさそうに窓を見た。<br /><br />「ふん。日本人なんか興味ないわ」という心の声が聞こえてきそうだった(この旅行で僕は、すぐに日本人だと見破られた。すぐに)。<br /><br />彼女はすぐに、朝食を食べ始めた。<br /><br />駅構内で売っている寿司だった。<br /><br />彼女はムシャムシャと食べていた。<br /><br />ムシャムシャ。<br /><br />すぐに食べ終わると彼女は、空になったプラスッチクの箱の置き場に困り、さらに不機嫌になったようだった。<br /><br />僕は全身で彼女の不機嫌オーラを受け止めていた。<br /><br />逃れようがなかった。<br /><br />しばらくして、清掃員が来た。<br /><br />おばちゃんは彼を呼びとめた。<br /><br />清掃員は、手に持っていたゴミ袋がいっぱいだったのか<br />「ちょっと後から来ます」と言った。<br /><br />ブルーカラーらしい、シンプルでぞんざいな態度だった。<br /><br />おばちゃんは、舌打ちをした。<br /><br />さらに不機嫌になった。<br /><br /><br />さらにしばらくすると<br /><br />売り子がやってきた。<br /><br />待っていましたとばかり、おばちゃんは<br />「このゴミを頼む」と渡そうとした。<br /><br />しかし売り子の姉ちゃんは<br />「申し訳ございません。今ゴミ袋を持っていないのです。また後で戻ってきます」と<br />丁寧な言葉遣いで行った。<br /><br />でも、態度は(日本人的に見ると)それほど丁寧ではなかった。<br /><br />おばちゃんは、またゴミを引っ込めた。<br /><br />さらにさらに不機嫌そうになった。ふてくされているように見えた。<br /><br />ゴミそのものも邪魔だったが、行き場のない怒りがもっと邪魔になっているようにも見えた。<br /><br />発車5分で空となったプラスッチの箱は、さらに長い時間、このおばちゃんと共にすることとなった。<br /><br />1時間半ほどが経った。<br /><br />しかし、売り子の姉ちゃんが戻ってくることはなかった。<br /><br />忘れたのかもしれなかった。<br /><br />でも僕には確信犯的に戻ってこないようにも感じた。<br /><br />売り子の丁寧な言葉遣いと、乾いた声とのギャップが、僕にそんな風に思わせた。<br /><br />発車から2時間ほどして、今度は車掌が来た。<br /><br />切符の確認が終わると同時に彼女は、激しく訴えた。<br /><br />前のめりになったおばちゃんの直訴に、車掌さんは面食らったようだった。<br /><br />彼女は、<br />掃除夫と売り子の姉ちゃんとの会話を詳細に説明した後、<br />未だにこのゴミを取りに来ないのだ、とまくし立てた。<br /><br />「おかげでずっとここにゴミを置いているのよ!!」<br /><br />そして言った。<br /><br />「是不是這種服務好奇怪!!(このサービスちょっとおかしくないですか??)」<br /><br />僕は感動した。<br /><br />こんなに怒っているのに、こんなに遠回しな表現!!<br /><br />怖そうなおばちゃんがまくし立ているクレームさえも、婉曲風になるのか…<br /><br />台湾人の中国語、恐るべし。<br /><br />大陸の中国語とは似て非なるもの。<br /><br /><br />降りるとき僕は、彼女と一緒に撮りたくて、カメラを取り出した。<br /><br />瞬間、彼女は僕を睨んだ。<br /><br />「キッ」という音が聞こえてきそうだった。<br /><br />僕は怖くて「撮らせて」と言えないまま、持ち上げたカメラの行き場を失い、素知らぬ顔で自分のリュックを撮った。<br /><br />ブレが僕の動揺を物語っている。

 

 

 

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